検査(車検)について

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 最近は改造車にやさしい検査制度になってかなり好き勝手にやっても検査に通ってしまうようになりました。
しかしワタシは現在の制度になる前にノーマルマフラーが二度と取り付けられないようになったり、バンのくせにノーマルのバンタイヤ付き13インチ鉄チンホイールが履けなくなってしまったり、ノーマル車高に戻せなくなっていたのでお金を出して当時(平成6年)大流行の公認車検を取りました。
 そして翌平成7年、5ナンバーのクルマの「10年超えたら1年車検」制度がなくなるという情報が入ってきたのと、将来のNOx法対策のために(奈良は適用外)バンを乗用に構造変更しました。この頃は陸運局に通う時間もあったので改造から申請まで自分でやってみました。
 この構造変更についてはあとで詳しく述べます。

 このとき申請書類を作る上でいろいろ資料を集めたりしたのですが、そこで「510って最近のクルマに比べて規制ゆるいやん!」ということがわかり、今まで検査のたびにシートを交換していた自分が悲しくなりました…
 何が何でもアリなのかはぜひ安全装置等適用時期一覧表を見てください。例えばフルバケ&自作シートレール&定員5名がOKだったりします。ですから、古いバンならば比較的簡単に乗用登録にすることができます。さらに型式に「改」が付くおまけ付きです(笑)
 また平成7年からは軽微な変更についての取り扱いが変更となり、昔は構造変更が必要だった足回りやマフラーなどの部品は基準さえ満たしていれば申請なしでも検査に通るようになっています。

 さて、こんなに何でもアリな510、さらに規制のゆるくなった今、何が検査に通るのか思いつくまま挙げてみたいと思います。ただし、陸運支局によってあるいは検査官によって判断が異なる場合があります。

ワタシのクルマ(初年度登録昭和46年2月)ならばここまで通る
色つきの部分が旧車の特権(?)です

エンジン 形式が同じなら申請不要(L16→L18は申請要)。
キャブ・補機類 交換は自由、ターボでもOK!ただしブローバイは吸気に戻すこと。CO、HCを絞るのはテクがいる?
タコ足・マフラー 爆音でなければ自作でもOK。地球には優しくないけど、触媒も不要
サス(コイルスプリング) 遊びがなく、最低地上高9cmをクリアしていれば車高調であろうが自由。
サス(リーフ) 基本的に申請が必要。しかし交換・組み替えならば…
ショック お好みのものをどうぞ〜
タイヤ・ホイール ノーマルより丈夫(耐過重が大きい)であればタイヤは自由。ただしメーター誤差にはご注意。(40km/hがわかればいいんだけどね)
ホイールはJWL規格のものなら自由。ただしフェンダーからはみ出さないこと。
また、バンならばバンタイヤじゃないと通りません。
ブレーキ ドラム→ディスク等ブレーキ変更は申請が必要。ステンメッシュホースはノーブランドでもお咎めなし
ステアリング ラッパマークさえあればダッツンコンペでも大丈夫
シート シートレールを含め何でもOK!(ワタシの助手席のシートレールはノーマル改)
シートベルト・ヘッドレスト 運転席に付いていれば(2点式)、助手席にはなくてもOK!ただ誰かを乗せるならあったほうがいいのは当然
追加メーター 視界を妨げないところにならいくつでも好きなだけどうぞ
ルームミラー・サンバイザー なくてもいいけど、なければ不便
ヘッドライト 今でもシールドビームじゃないとダメなのかな?
ウインカー 国内仕様なら元々赤ウインカー。でもワタシはあえてオレンジにしています
その他 オイルクーラー、クラッチ、LSD、タワーバー、etcはご自由に

ほかにこんなのはどうなの?という質問があればわかる範囲でお答えします。
ただし裏技的テクニックは公開できません(笑)


改造自動車の届出(改造申請)について

※注意※
以下の記述はワタシが公認を取った頃(1995年)の経験に基づいて書いており、
現在もこのとおりかどうかの確認はしておりませんので、
実際の流れと違う場合があるかもしれませんがご了承ください

申請の流れ

今は昔に比べて申請不要な改造範囲が広がったり、510は今のクルマに比べて規制がゆるかったりして改造申請があまり必要なくなってきましたが、それでもエンジンスワップや用途変更などではやはり改造申請が必要です。
まず改造申請には大きく2つに分かれます。
ひとつは運輸局に届け出るもので、これにはモノコック構造の車体、走行装置、操縦装置、制動装置の改造が相当します。要は走行安全上もっとも重要なものがこちらに相当します。
このうち関係のありそうなものはモノコックの車体と制動装置ではないでしょうか。モノコックの車体の改造とはモノコックボディの切り貼りを伴うもので、制動装置の改造とは例えばドラムブレーキをディスクブレーキに変更するといったものです。
そしてもうひとつはそれ以外のエンジンやミッション、サスペンションなどの改造に関する申請で、これは陸運支局(または自動車検査登録事務所)に届け出ます。

申請の流れは、まず書類を作成し陸運支局または運輸局に届け出ます。そこで書類審査が行われ(1〜2週間)書類審査に合格すると次は現車を陸運支局に持ち込んでの現車検査となります。現車検査では通常の車検と同様のライン検査に加え改造箇所の確認が行われます。
そしてこれらの検査にクリアすると晴れて「公認車」として新たな車検証が発行されます。ちなみに有効期間はそのときから新たに始まるので、公認を取るなら次回の車検のタイミングで取るのがおトクです。

申請書類

さて実際に改造申請をしようとして問題となるのがどのような書類が必要で、何をどうやって書けばいいのかと言うところに尽きると思います。これは事前に陸運支局へ出向き、改造内容が車検に通るのか、必要な書類は何か、またその書き方は、といったところを相談したほうがその後の手続きがスムーズに進むでしょう。このときあらかじめ電話で用件を伝え、アポを取りましょう!検査官の方々は通常検査業務で忙しいですからね。

申請に当たってまず必要となるのが1号様式2号様式と呼ばれる書類です。これらは陸運支局で入手できます。
加えて最大安定傾斜角の計算が必要となるので 〔T〕改造車の重量および重心位置と〔U〕保安基準主要条項の吟味がひとつになった書類 の提出も求められました。〔T〕では改造後の荷重を求め、〔U〕は書類の計算式を埋めていくことで重心や最大安定傾斜角を求めるものです。
そのほかには改造車外観図(三面図)、改造概要詳細図その他必要な資料をあわせて申請書類となります。

必要書類は改造内容によっても異なってくるのであらかじめどんな書類が必要なのかは相談して聞いておきましょう。また2号様式等の計算式ははじめて見たら何じゃこれ?って感じですが、公式にのっとって計算すれば必要な数値が求められるようになっています。
ではそれぞれの書類がどのようなもので何を記入すればよいか簡単に紹介していきます。

 

1号様式

1号様式は申請書類の表紙となるもので、上半分が住所氏名を書く欄で下半分が改造自動車等届出書となっており、改造内容等を記入するようになっています。
また裏面は改造内容に対する必要書類の一覧となっています。

2号様式

2号様式は「改造自動車等審査結果通知書」となるもので、主要諸元比較表と改造概要説明書からなっています。
主要諸元比較表は車検証やカタログに記されているような諸元を標準車と改造車の双方について記入し、比較する表となっています。
改造概要説明書は改造の目的と改造を行った箇所について簡単に内容を記述するようになっています。
目的は例えば用途変更なら「乗用で登録したい」程度の内容でOKです。

〔I〕改造車の重量および重心位置と〔II〕保安基準主要条項の吟味  画像〔I〕 画像〔II〕

〔I〕改造車の重量および重心位置は自動車本体と乗員、そして改造に関わって追加した部品等の加重とモーメントを求めるための表となっています。 そしてこの表から改造車の車両総重量と前後輪の分担荷重を求めます。
〔II〕保安基準主要条項の吟味では〔I〕で求めた値を元に各公式に値を入れながら最大安定傾斜角を求めていきます。cosやらtanやら出てきて難解そうですが、関数電卓(Windows標準の「電卓」で十分!)さえあれば書いてあるとおりに計算を進めるだけです。
ちなみにタイヤのJIS奨励荷重っていうのはタイヤサイズごとに決まっているようで、ワタシは陸運局で教えてもらいました。

改造車外観図

これも決まったフォーマットはありません。整備書などにある三面図(四面図)を引用して標準車と改造車の外観寸法の違いがわかるような書類を作ればよいでしょう。

改造概要詳細図

これは決まったフォーマットはなく、改造した部分の詳細がわかるような図解入りの説明文を添付します。図は写真でも手描きでもよく、交換した部品の取り付け方法がよくわかるような図が求められます。

その他必要な資料

改造の箇所によって 必要な書類は変わってきます(1号様式の裏に書いてある)が、よく目にするのが強度検討書というものでしょう。有名なのはエンジン換装に伴って必要になるプロペラシャフトの強度検討書などがありますね。
そしてこの強度検討書にも決まった形はありません。フォーマットの決まっていない書類は要するに改造内容や保安基準に適合していることがわかりやすく、改造を行っても必要な強度や安全性が担保されていることを検査官に示せればよいのです。
ここでは例として「走行性能計算書」と「プロペラシャフトの強度検討書」(PDFファイル23KB)の公式を紹介 します。ただしワタシが行った公認車検ではこのいずれも必要がなかったので、この公式に関してはなんの保証も解説もできないことをご了承ください。

審査に通る書類というのは検査官が納得する書類と言うことです(もちろん明らかに保安基準を逸脱するものは論外ですよ)。ということでスムーズな書類審査のためには検査官に求められているものが何かを知るために上にも書いたように素人が公認車検に挑むにはしっかりと検査官と相談をしながら丁寧な書類作りを進めるのが合格への近道でしょう。
 

 


構造装置の軽微な変更時の取扱いについて
(国土交通省通達より)

使用過程における自動車について、軽微な変更となる自動車部品の取り付けについては、構造等変更に係わる諸手続きを簡素化し、平成7年11月22日から実施しました。
この場合の軽微な変更とは、

1. 自動車部品を装着したときに寸法(長さ、幅及び高さ)及び車両重量が一定範囲内である場合。

項目

種別

長さ 高さ 車両重量
小型自動車
軽自動車
±3cm ±2cm ±4cm ±50kg
普通自動車
大型特殊自動車
±3cm ±2cm ±4cm ±100kg

2. 指定する自動車部品(以下「指定部品」という。)を溶接またはリベット以外の取り付け方法により装着した場合

が該当し、この場合には、諸手続きが不要となります。
なお、これらの軽微な変更となる自動車部品を装着した状態においても、道路運送車両の保安基準に適合していることが必要であり、これはユーザーの責任において管理していただくこととなります。
また、新規検査又は予備検査においては、検査時の状態で自動車の諸元を決定する従来どおりの取扱いとなります。

[主な指定部品の例]
○ 機能的部品 ○ アクセサリー的部品
身体障害者用操作装置
エア・バッグ
けん引用トレーラ・ヒッチ
ショック・アブソーバ
ストラット式ショック・アブソーバ
マフラー、排気管
タイヤ、タイヤ・ホイール 等
ルーフ・ラック、キャリア
エア・スポイラ、エア・ダム
グリル・ガード、ドア・プロテクタ
オーディオ類、ナビゲーションシステム
アンテナ、ラダー、トウバー 等

 


安全装置等適用時期一覧表
(平成8年当時の資料)

項  目

乗用車 小型貨物
運転席 シートベルト S44/04/01 (1種)
S50/04/01 (2種)
S62/03/01 (2種ELR) ※
S44/04/01 (1種)
S50/04/01 (2種)
S63/03/01 (2種ELR) ※
ヘッドレスト S44/04/01 S45/04/01
助手席 シートベルト S48/12/01 (1種)
S50/04/01 (2種)
S62/03/01 (2種ELR) ※
S48/12/01 (1種)
S50/04/01 (2種)
S62/03/01 (2種ELR) ※
ヘッドレスト S48/12/01 S48/12/01
前席中央 シートベルト S62/03/01 (1種) ※ S62/09/01 (1種) ※
後席窓側 シートベルト S50/04/01 (1種) S50/04/01 (1種)
後席中央 シートベルト S62/03/01 (1種) ※ S62/09/01 (1種) ※
ベルト取付装置 S44/04/01 S50/04/01
シート等の取付強度 S50/12/01 (乗用車のみ)
シート後面衝撃吸収 S50/12/01 (乗用車のみ)
衝撃吸収ハンドル S48/10/01 (乗用車のみ)
施錠装置 S48/12/01 (乗用車のみ)
燃料もれ防止 S50/12/01 S62/09/01 (2.8t以下)
インパネ衝撃吸収 S50/04/01 (乗用車のみ)
ドア開放防止(特殊ドア除く) S50/12/01 S50/12/01
前面合せガラス S62/03/01 ※ S62/09/01 ※
近接排気騒音 S46/04/01  〜103dB S46/04/01  〜107dB
室内後写鏡 S50/12/01 S50/12/01
サンバイザー S50/04/01 S50/04/01

※ 輸入車にあっては「S62/03/01」及び「S62/03/01」をS63/04/01に読み替える。
シートベルト等の項目は横向き座席、仕業点検をする場合に取り外しを必要とする座席を除く。
乗用車においては、折り畳み式座席は適用される。

 

 

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